所謂スポーツ貧血というのは激しい運動をすることで、足の裏（踵）を打ち付けることによって赤血球が壊れて溶血がおこり貧血になる、と考えられていました。「血の小便が出るくらい練習しないといい選手になれない」という誤った考えの指導者もいたようです。

現在では、体内の鉄分が不足することによって起こる“鉄欠乏（小球）性貧血”の他にビタミン不足による“ビタミン欠乏（大球）性貧血”などが原因と判ってきました。

スポーツ選手が鉄不足になるのは、トレーニングのため汗などからの排泄増加や筋肉が付くことなどによる需要増加もありますが、食事からの摂取不足が主な原因です。女子選手の場合には月経出血の影響も考慮しなければなりません。ビタミン類の不足も同様の理由から生じます。

貧血を放置するとパフォーマンスの低下が起こり成績が伸びない等だけでなく様々な問題が生ずる可能性もあります。

貧血を改善するにはしっかりとした食事を摂ることが最も重要です。「基本的な食事の形」を覚えること、サプリメントに頼らないことを念頭に、年齢や競技種目、トレーニングスケジュールに合わせた指導が大切です。

必要に応じてスポーツドクターやスポーツ栄養士に相談してください。